【ボートレース】選手が強制的に引退させられる「4期通算」のルールについて調べてみた

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ボートレースにも強制引退の制度がある

競輪の「代謝制度」同様に、ボートレースにも成績の悪い選手を強制的に引退させるルールがあります。今回は、競輪のそれ以上に難しいボートレースの強制引退制度について、出来るだけ分かりやすく解説していきます。

前提~ボートレースの「勝率」とは

まず、ボートレースの強さや調子の良さを表すバロメーターとして、「勝率」があります。いわば競輪の「競走得点」のようなもので、これが高いほど一般的に強い選手とみなされます。

ただし、ここでいう「勝率」はパーセンテージで表されるものではなく、「着順ごとに割り振られた点数を出走回数で割ったもの」になります。一般のレースで着順ごとに割り振られる点数は以下の通りです。

1着2着3着4着5着6着フライング・失格
得点10点8点6点4点2点1点0点

例えば、5回走って1着、2着、6着、3着、3着なら合計点数は31点なので、これを出走回数の5で割った数字「6.20」がその選手の勝率となります。一般的に、ボートレース最上位のA1選手は大体この「6.20」以上の勝率を持っています。

この勝率が選手の成績判定の材料となり、高ければ選手のランクがA2、A1に上がるし、低ければB1、B2へと下がっていきます。

本題~「4期通算」のルールとは

それでは、ここからが本題です。「4期通算」のルールに従って、引退勧告がなされる選手の概要は以下の通りです。

直近4期(ボートレースの期は5月~10月の「前期」と11月~4月の「後期」に分かれる。つまり2年分)の通算勝率が3.80を下回った選手

2016年4月以前の成績を含む場合は、直近4期の通算勝率が3.50を下回った選手

ただし、デビュー3年以内の新人選手はこのルールの適用から外れます。その上、「4期」の成績がたまるまでには最低でも2年が必要なため、少なくともデビュー5年以内の選手はこのルールを適用されないことになります。

そしてもう一つ、勝率以外の適用ルールがあります。

直近4期の通算勝率において、1601位以下となった選手

現在、ボートレーサーの総数は1,604名。すなわち、4期の通算勝率で3.80ないし3.50を上回ったとしても、勝率順で下から4名は引退させられる可能性があるということです。ただし、このルールに関しては不透明な点があるため、該当した選手が本当に引退したかどうかは、公式の発表を待つ必要があります。

「4期通算」ルールと出走数の関係

また、「4期通算」のルールを語る上で重要となるのが、選手の出走数です。

この「4期通算」には、1期の出走数が50走を下回った場合はその期を1期としてカウントせず、次の期と合計して50走を超えた時に初めて1期とカウントする、というルールが存在します。すなわち、直近3期の成績が悪く、通算勝率で3.80を下回りそうな場合は、あえて出走数を50走未満でストップして次の期で挽回しよう、ということが出来るわけです(これを俗に「49走止め」と言います)。

このルールを用いれば、2年で「4期通算」が適用されるところを、倍の4年まで伸ばすことが出来ます。ただし、4期の通算出走回数が60走未満の場合も強制引退の対象となるため、あまり出走数を減らしすぎるのも危険です。

「4期通算」を考える時の注意点

ここで間違えやすいのは、「4期通算」が「4期の平均勝率」ではなく、「4期の通算勝率」だということです。例えば、以下の例を考えます。

1期目2期目3期目4期目通算
出走回数60905080280
合計得点2403202102881058
勝率4.00003.55564.20003.60003.7786

この選手の場合、「4期の平均勝率」は(4.00+3.56+4.20+3.60)÷4=3.84ですが、「4期の通算勝率」は(4期で獲得した合計得点)÷(4期の出走回数)で算出されるため、1058÷280=3.7786となり、引退勧告の対象となります。このように、「平均勝率」と「通算勝率」では大きなズレが生じるので注意が必要です。

「4期通算」の対象となったら?

選手が「4期通算」の対象となっても、即引退となるわけではありません。ボートレースは選手の成績を審査する期と、実際の期にズレが生じているため、成績審査が終わった後の約2カ月間は現役を続けることが出来ます。

前期:成績審査は5月~10月、実際の期は6月~12月 後期:成績審査は11月~4月、実際の期は1月~6月

つまり、選手が実際に現役生活に終止符を打つのは6月か12月ということになります。

ただし、これには例外があり、1期の勝率が3.00を下回った場合は、成績審査が終わった段階でレースへの斡旋がストップされます(俗に「8項」と呼ばれるルール)。すなわち、成績が悪すぎた選手は、10月ないし11月初めの段階で引退となる場合がある、ということです。

まとめ

今回は、ボートレースの「4期通算」についてまとめました。なお、今後このルールは適用が見送られたり、数字が変わったりする可能性を多分に含んでいるため、常に最新の情報を公式ホームページなどで確認することをお勧めします。

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